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脊髄損傷のマウス、移植と薬注射で7割回復 奈良先端大

2010年8月17日7時43分

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 脊髄(せきずい)が傷ついて下半身がまひしたマウスに、神経の元になる神経幹細胞を移植し、さらに抗てんかん薬を注射して治療したら、約7割が歩けるま でに回復したと奈良先端科学技術大学院大のグループが発表した。神経が損なわれるけがや、脳卒中などの治療法開発につながる成果だ。

 同大の中島欽一(なかしま・きんいち)教授(神経科学)らは、下半身がまひしたマウスで、脊髄の傷ついた部分に、ほかのマウスからとった神経幹細胞を移植。その後、1週間にわたり、抗てんかん薬の一種であるバルプロ酸を注射した。

 治療した21匹のうち、15匹は1カ月半ほどで、股関節やひざ関節、足首が動くようになり、ぎこちないながらも、足で歩けた。残るマウスも、未治療のマウスに比べると回復がみられた。

 調べると、移植した神経幹細胞が神経細胞に変わり、それが傷ついた神経をつないでいた。従来は神経幹細胞を移植しても、目指す神経細胞になるのは1%以下だったが、この治療で回復したマウスでは約20%に向上していた。

 バルプロ酸が、高い効率で神経幹細胞を神経細胞に変化させることは、2004年に中島教授らが試験管レベルで確認している。今回は、それを実際の動物で実証した形だ。

 中島教授は、「今回は移植細胞のがん化のような悪影響はなかったが、ヒト細胞でも同じなのかどうか、研究を進めたい」と話している。

 論文は16日の米科学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」電子版に掲載された。(権敬淑)

小児救急医療電話相談 6割「助言のみ」 丹波 

 夜間や休日に看護師が子どもの急病などの相談に応じる「丹波地域小児救急医療電話相談」の開設1年を機に、丹波健康福祉事務所はこのほど、利用状 況をまとめた。1743件の相談があり、看護師の助言のみで医療機関の紹介に至らなかったケースが約6割を占めた。同事務所は「不要不急の受診を抑えるの に一定の効果があった」としている。(桑野博彰)

 電話相談は昨年6月、安易な時間外受診を抑えるために開設した。相談時間 は、平日が午後5時半から翌朝8時、土日祝日などが午前8時から翌朝8時。専用窓口につながり、看護師が受診の必要性や応急処置を助言するとともに、症状 に応じて医療機関を紹介する。

 相談件数は新型インフルエンザによる学級閉鎖が相次いだ昨年11月の250件がピークで、最低は09年6月 の77件。平日、休日とも午後5時~午前0時が多かった。相談内容の約50%は発熱で、せき、おう吐などが続く。相談に対する対応は「相談のみ」が 64%、「医療機関の紹介」は31%だった。

 同事務所は「病院に行く前に、電話相談を活用してほしい」と呼び掛けている。窓口 TEL0795・72・4396

病室に笑顔届ける  

子どもたちが看護体験 匝瑳

2010年07月05日10時30分[県東エリア]

笑顔で入院患者に接する白衣姿の子どもたち=匝 瑳市民病院

 匝瑳市八日市場イの匝瑳市民病院で3日、子どもたちが血圧測定をしたり入院患者に昼食配膳(はいぜん)を行い、看護師の仕事を体験し、病室の入院患者に 笑顔と元気を届けた。

 看護体験はこれまで母親の仕事を理解してもらおうと病院職員の子どもを対象に行っていたが、一般からの強い要望が あり今年から市内の中学生以下を対象に募集。4歳児から小学6年生までの男女34人が参加した。

 子どもたちは白衣に着替えてナース キャップをかぶり、かわいらしい看護師姿に。入院患者の病室を訪れて昼食を手渡したり、「早く良くなって下さい」とメッセージの入った折り鶴をプレゼン ト。笑顔の子どもたちに、病気と闘う患者も「ありがとうね」と明るい表情が広がった。

 互いに血圧を測ったり、胸に聴診器を当て「ドキド キしている」と心臓の動く音にびっくり。下峠楓さん(7)は「入院している人と話せて楽しかった。看護師になりたいと思った」と自分の白衣姿にうれしそう に話した。


岡田JAPAN、俊輔外して 生まれ変わった

 デンマークに勝利し、喜びをかみしめる岡田監督。後方は沈むデンマークのベンチ=ルステンブルク(共同)

 「W杯・E組、デンマーク1-3日本」(24日、ルステンブルク)

 目標の「W杯4強」へ一歩近づいた。岡田武史監督(53)が、 日本を02年日韓大会以来2大会ぶり、海外開催のW杯では初となる決勝トーナメント進出に導いた。チームの絶対的存在だったMF中村俊輔(32)=横浜 M=を外すことで、危機感と団結力を生み出した。成長を続けるチームを率い、パラグアイ戦で史上初のベスト8進出を成し遂げる。

  ◇   ◇

 海外で開催されたW杯で、初の決勝トーナメント進出という快挙は成し遂げた。だが先がある。岡田監督が掲げた目標には届いていない。W 杯4強‐。夢物語へ足を踏み出すときだ。

 「われわれの終着点はここではない。パラグアイ戦に向け、まずはリラックスして、またスタートし たい」。岡田監督はニコリともせず言い切った。「勝利の余韻に浸ると言っても、ホテルに帰ったら深夜で遅くなる。かなり疲れもある。すっと寝ると思う」。 孤独な戦いの代償。情と格闘する人間の姿があった。

 5月24日の韓国戦で0‐2と惨敗。犬飼会長への進退伺後、解体的出直しを誓った。 「中心となる選手の不調が続いた。踏ん切りをつけ、決断しなきゃいけなかった。システム、選手を変えた。これが当たった」。

 不調だった選 手と個別に話し、状態を見極めた。大会1カ月前の出来事。中村俊らを外し、まったく別の堅守速攻型チームをつくった。中村俊でも外される‐。危機感を募ら せたイレブンは自ら動きだした。選手だけでミーティングを始めた。結果を出したいという渇望も生まれた。

 デンマーク戦は2ボランチで開始 したが、FWトマソンに対応するためMF遠藤の発案で3ボランチに変更。終盤のパワープレーには、ベンチの指示の前にMF長谷部、阿部を下げて対応した。 「素晴らしいこと。ここまで出来るようになったんだとうれしい気持ちだった」。岡田監督は成長を見た。

 中村俊は居残りでフィジカル練習を こなし、楢崎は川島と立場が入れ替わっても一緒に散歩した。主将の川口が「コーチをやるために来たわけじゃない」と練習する姿は、腐ることを許さない雰囲 気があった。サブ組がチームを崩壊させたドイツW杯とは違った。

 「われわれにはほかのチームにない力がある。選手、スタッフが目標へ一つ になれる。サッカーがチームスポーツということを見事に証明してくれた」。もう何が起きてもおかしくない。日本のW杯は続く。

(2010 年6月25日)

身ぶりと音声で生活機器を操作―産総研が障害者支援システムを開発

 独立行政法人の産業技術総合研究所は5月26日、障害者や高齢者の自立 支援を目的に開発した、身ぶりと音声で居住空間の生活機器を操作できるネットワークシステムを発表した。厚生労働省の「障害者自立支援機器等研究開発プロ ジェクト」の一環として開発した。

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 肢体障害者が身ぶりと音声だけで自由にドアの開閉をしたり、家電製品を制御したりできるよ うになる。このほど行ったシステムの実証実験では、「住宅設備操作支援」「調理支援」「視覚障害者支援」の3つの住環境モデルを構築した。

  このシステムは、既存のロボット開発向け技術「RTミドルウエア」を応用することで、ネットワーク上にある特定の複数機器を一体的に制御する。利用者の入 力情報がRTミドルウエアを通じて各機器に最適化されるため、1つの入力装置で複数機器を操作できる。

 情報入力では、カメラで人の小さ な動作も検出できる装置と、不明瞭な音声も認識できる装置を用意した。身ぶりの入力装置では、健常者とテニスのテレビゲームを楽しめるほどの精度が確認で きたという。

 ネットワーク上の機器は、自由に追加と削除をして連携し合えるが、現時点では対応する機器が限られているため、今後は対応 機器を増やすための技術開発と標準化活動を推進する。

 実用化の時期は決まっていないが、今後はこのシステムを共同で開発した国立障害者 リハビリテーションセンター研究所から利用者の意見を収集し、ミサワホーム総合研究所などがビジネスモデルを詰める。

( 2010年05月27日 17:29 キャリアブレイン )


スティーブ・ジョブスの10の 教え

Wednesday, 2 May 2007 · 0 Comments and 0 Reactions · Leadership

10 Golden Lessons From Steve Jobs – lifehack.org:

マックユーザーであってもなくても、アップル社 CEO のスティーブ・ジョブスがカリスマ的なビジネスマンであるのは多くの人が認めるところでしょう。アップルの製品発表でみられるような天才的なマーケティン グの才能にひかれるのもありますが、基調講演の端々にも、この人のもつ人柄の魅力がかいま見えます。

非常な完璧主義者で、社内では有無をいわせない独裁者だということですが、その一方でアップルという会社をリードして、そのブランドイメージを一身 に引き受けるリーダーシップとビジョンに、人は魅了されるのではないでしょうか。

Ririan Project でそんなスティーブ・ジョブスの心に残る 10 の言葉が紹介されていましたので、翻訳を試みてみます。

いくつかの講演で、様々なことを説明している話の文脈から抜き出してきたものですので、真意をくみ取らないといけないものもあります。大きなことを 考えている人にありがちな夢見がちで、しかし堅実な言葉が印象的です。

  • イノベーションは誰がリーダーで、誰が追随者かをはっきりとさせる
  • 自分がクオリティの基準となりなさい。人によっては、常に優秀であることが期待されている環境に慣れてないのだから。
  • すばらしい仕事をするには、自分のやっていることを好きにならなくてはいけない。まだそれをみつけていないのなら、探すのをやめてはいけない。安 住してはいけない。心の問題のすべてがそうであるように、答えを見つけたときには、自然とわかるはずだ。
  • 知ってると思いますが、私たちは自分たちの食べる食べ物のほとんどを作ってはいません。私たちは他人の作った服を着て、他人のつくった言葉をしゃ べり、他人が創造した数学を使っています。何が言いたいかというと、私たちは常に何かを受け取っているということです。そしてその人間の経験と知識の泉に 何かをお返しができるようなものを作るのは、すばらしい気分です。
  • 仏教には「初心」という言葉があるそうです。初心をもっているのは、すばらしいことだ。
  • あなたがテレビのスイッチをオンにするのはあなたが自分の脳のスイッチをオフにしたいからだと思います。それに対してコンピュータで仕事をするの は、脳のスイッチをオンにしたいときではないでしょうか。
  • 私が知ってるなかで、一年で 2.5 億ドルも失った人なんて自分しかいない。でもそれは非常に人格形成に役立ったよ。
  • 私は持っているテクノロジーをすべて引き替えにしても、ソクラテスとの午後のひとときを選ぶね。
  • 私たちはこの世界に凹みをいれてやろうと思ってここにいるんだ。そうでないなら、なんでそもそもここにいる必要があるんだい?
  • あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。ドグマにとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きて いることなのだから。他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信 じる勇気を持ちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。

画期的運営が強豪男子ホッケーチーム支える

2010.5.14 09:14
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 不景気で企業スポーツを取り巻く環境が厳しくなる中、ホッケー日本リーグ男子の昨季覇者、名古屋フラーテルの画期的 な運営方法が注目されている。所属21選手を地域の14企業が5年単位で雇用して支えるシステムで、チームを運営するNPO法人・愛知スポーツ ●(=2004年新規追加人名漢字)楽部の永井東一専務理事は「1社で団体競技の人件費すべてを負担するのは難しい時代。選手の活動環境を整える試み」と 胸を張る。

 フラーテルの前身は企業チームの「表示灯」。2006年に「一企業では浮き沈みがある。チームを支えるよりいい方策はない か」(永井専務理事)と複数企業で選手の受け皿を確保する「ワン・アスリート、ワン・カンパニー」の仕組みを始めた。支援企業は初年度の5社から着実に増 え、現在はシロアリ駆除業者、ワサビ加工メーカー、家電量販店など多彩だ。

 選手は各企業に勤務して月平均20万円程度を支給され、練習を 続ける。日本代表候補18人を擁するチームは文科省の助成を受け、ホッケー教室などの普及活動にも力を注ぐ。表示灯時代からプレーする坪内一浩は「子ども たちを指導する機会も増えた。結果を出せば、地域貢献にもなる。人間的な成長がある」と張り切る。

 チームの年間活動費約1千万円を表示灯 が負担する。将来的には各企業で分担する形を目指す。永井専務理事は「『フラーテルに協力したい』という風土ができた。この取り組みを他の地域でも広めら れれば」と語る。これからの団体スポーツ運営の、一つの道しるべとなりそうだ。(長谷川)

ノーリフト=持ち上げない看護
オーストラリア発の新しい腰痛予防の試み

保田淳子(日 本ノーリフト協会・代表)


 みなさんは,どのように「腰痛予防対策」を行っていますか? ベッドから車イスへの移乗,あるいは入浴介助やおむつ交換といった身体負担が大きい 介助を行うなかで,腰痛に悩まされる看護・介護者の方も多いと思います。しかし,「腰痛は,職業病だから仕方ない」と思っている方もいるのではないでしょ うか。

 「腰痛予防なんて……,今まで何度も聞いている」,2003年にオーストラリアに渡った私も最初はそのように考えていました。しかし,腰 痛予防対策としてのノーリフトを知って衝撃を受けました。

 「腰痛予防対策」を言葉どおり腰痛予防だけで終わらせるのか,労働環境改善やケアの質にまで結びつけられるのか。それは,現場にいるプロ (看護師)の目にかかっていると実感しています。日本においても,今後の看護師の人材不足解消や労働環境改善,そしていつまでも働き続けられる環境を作る ためには,このノーリフトの考え方は外せないと感じています。

 ノーリフトは,オーストラリアが世界で初めて4対1の看護体制をとった原動力にもなったのではないかと言われています。私はオーストラリ アで,「腰痛が悪化したら離職するしかない環境を看護師自身が作っていては,看護のプロの現場ではない」とまで言われました。ここでは,私が衝撃を受けた ノーリフトについて紹介します。

ノーリフト機器を使った介助のもよう
左:筆者が初めてリフトを体験したときの写真(緊張しているのがわかります)。
右:下肢リハビリとしても使える起立補助機。

知らなかったことが,問題だ

 ノーリフトは,1998年にオーストラリア看護連盟ビクトリア州支部がノーリフティングポリシー(No Lifting Policy)「押さない・引かない・持ち上げない・ねじらない・運ばない」を,南オーストラリア州支部が「No Lift No Injuryプログラム」を打ち出したことから始まります(文法的には,ノーリフティングが正しいのですが,オーストラリアでは,「ノーリフト」がケア提 供者の中での合い言葉として定着しています)。この背景には,腰痛による看護・介護職者の労災がオーストラリアでも大きな問題となっていたことがありま す。

オーストラリア看護連盟南オーストラリア州支部にて(右が筆者)
 離職や休職,そして社会的問題である介護職者の人材不足を食い止めるために,看護・介護現場での腰痛の原因となる介助 時には福祉機器などを利用し,人力のみでの移乗介助や移動を制限した“ノーリフト”の教育プログラムを作り出したのです。ノーリフト導入後,ビクトリア州 では,看護・介護職の腰痛関連コストが54-74%,南オーストラリア州では90%(1996年と2003年との比較)も減少しました。

 日本の看護教育を受けてオーストラリアに渡った私は,「人の手で看護をせず機械を使うなんて,何となまけもので不器用な人たちなんだ」と,福祉用 具や機器を使って患者さんを動かしていることを,最初は受け入れることができませんでした。しかし,オーストラリアの大学に入学して,なぜ,このノーリフ トが必要なのかということを学び,またオーストラリア看護連盟の方々と話すうちに「知らなかったことが,問題だ」と思うように変わりました。その理由に, 実は日本にも腰痛予防対策指針や労災の非災害性腰痛の申請内容に「人力のみによる持ち上げ重量は20 kgまで」という規定が存在することがあります。

 また,人力による持ち上げでは,介助を受ける側も緊張して筋緊張が起こり拘縮を引き起こすことがあることも,これまで考えたことがなかっ た理由の1つです。そのほかには,人力のみの介助時には,介助する側が人間の持つ自然な動きをさえぎっていることが多く,相手の自立度を奪っていることも ノーリフトを通して学びました。これ以外にも,自分たちの労働環境が良くなければよいケアの提供はできないという意識,愚痴で終わるのではなく現場の問題 をきちんと提議して解決していく方法も知りました。

考えを変え,現場を変え,ケアの質を変える

 「機械で看護することをプロとしてどう考えますか?」と,オーストラリアの看護師に質問してみたことがあります。そうすると「看護の視点は,私た ちプロが意識すればどこにでもある。機械を使ったから看護の視点がないというのは,機械を使っている人間側の問題で,機械の問題ではない。それよりも人力 で抱えるときの転倒や私たちの怪我など多くのリスクを考えると機械のほうが優れる。そういう総合判断ができることこそがプロだ」と答えが返ってきました。 それを聞いて,私はとても恥ずかしくなったのを今でも覚えています。

 現在,ほぼ100%ノーリフトに沿って働いているビクトリア州と南オーストラリア州ですが,10年前までは医療者側も“看護・介護職は移 乗介助をボディメカニクスを用い人の手で行うべき”,と考えていた歴史があります。ですので,ノーリフトの教育を行う際には,決して福祉機器の使い方だけ でなく,ケア提供者が腰痛予防に関する考え方そのものを変えられるようにサポート体制を整えています。また,労働安全衛生法の説明,使用前のインフォーム ドコンセントの方法やリスクアセスメントの構築法など幅広い教育プログラムとなっています。

 私は,オーストラリアで“現場の一人ひとりが意識して声を上げれば現場は変わる”,そして“現場を変えることがケアの質を変える”ことを 学び,日本にもノーリフトが必要だと強く考えるようになりました。

高まるノーリフトへの期待

 5年間の留学生活を終えて日本に帰国後,私はノーリフトの理念をしっかり日本でも広げたいという思いから2009年1月に日本ノーリフト協会を立 ち上げました。そして,2010年1月に神戸で開催した「2010 日豪国際フォーラム」には,全国から約400名(看護師,セラピスト,介護職,研究者)に参加いただくことができました。

 フォーラムでは,厚生労働省,日本看護協会,日本理学療法士協会,大学関係者など各界の代表の方々と今後の日本の腰痛予防対策について話 し合い,大学などでのノーリフトのような腰痛予防対策教育の必要性や卒後教育としてのプログラムの確立,そして病院や施設で各専門職が連携することで在宅 ケアまでのサポートができるのではないかなど,とても具体的な議論ができました。また,介護者の手技に頼る腰痛予防ではなく,労働安全の視点から腰痛予防 対策システムを見直す必要も議論されました。今後は,これをきっかけに各界や政府とさらに連携を深め,モデルとなるような日本ノーリフト協会の教育プログ ラムを開発し,日本の腰痛予防対策システムを確立することが目標です。

 日本での「ノーリフト」はまだまだ始まったばかりですが,オーストラリアの事例を通して私たちの日本らしいノーリフトの取り組みが確実に浸透して いることを,この2年間で実感しています。ノーリフトが,「腰痛予防対策だけに終わらない」日本らしいノーリフトサポートプログラムとして根付くことを強 く願って,日々の活動を続けたいと思います。

日本ノーリフト協会ホームページ


保田淳子氏
日本で医療事務や看護師を経験後,2003年オーストラリア(メルボルン)に語学留学目的で渡る。04年より語学学生の傍ら,老人ホームでケアア シスタントとしてアルバイト。04年9月には,南インドに看護師として1か月間滞在する。05年フリンダース大看護学部編入し,オーストラリア看護師免許 を取得する。その後,オーストラリアの病院での看護師労働サポートに興味を持ち,フリンダース大看護大学院ヘルスマネージメント専攻入学。08年帰国し, 現在オーストラリアで学んだ看護・介護職の腰痛予防対策(ノーリフト)を広めるために活動中。09年より滋賀医大医学系研究科博士課程在籍。

外来待ち時間に病気対策講座 瀬戸・陶生病院

2010年5月11日

患者らにAEDの使い方を教える救急隊員(右)=瀬戸市の公立陶生病院で

 公立陶生病院(瀬戸市)で、外来で診療を待つ患者向けに、看護師たちが講座を開いている。長い待ち時間を少しでも楽しく過ごしてもらう狙い。病気 対策などをテーマにしており、分かりやすい内容が好評だ。5月から、外部の機関と連携するなど内容を充実させている。

 同病院の外来待ち時間は、30分から1時間程度。中には、2時間以上待たなければいけないケースもある。こうした患者たちの負担を軽くしようと、 看護師たちが昨年11月ごろ、「外来待ち時間対策プロジェクトチーム」を結成し、今年2月下旬から、総合受付ロビーで講座を始めた。

 看護師らが講師を務め、午前10時から1時間開催。各科の診療状況に合わせており、日程は不定期だ。禁煙や糖尿病、メタボリック症候群などテーマ は多彩。中には講座を目当てに来る人もいるという。

 10日は市消防本部が救急救命法講座を開催。患者ら約30人が、心臓マッサージの仕方や自動体外式除細動器(AED)の使い方を学んだ。同市東松 山町の公務員女性(52)は「病院は患者本人や家族がいて、講座に興味を持ちやすいし、待ち時間を使う発想がいい。説明も分かりやすい」と話した。

 今後は循環器科や眼科、救急外来など各分野からテーマを募り、30の講座を順番に開く方針。また消防本部や警察など外部機関との連携を図る。看護 師長で同プロジェクトチーム代表の松原夏代さん(48)は「待ち時間は特に長く感じるもの。少しでも短く感じてもらえればうれしい。知識の“お土産付き” で、病院から帰っていただきたい」と話した。

 (今村節)

 

診療現場にスマートフォンを


会場は通路まで人であふれ,医療関係者の関心の高さが伺えた。
 「iPhone」のシェア拡大を受け,大手キャリアが相次いでスマートフォンを発表。日本では立ち遅れていたスマート フォン市場が活性化してきた。iPhoneの医療系アプリは現在2000を超えており,医療現場での活用においても注目されている。アップルストア銀座店 (東京都中央区)では「iPhone in Medicine:診療現場にiPhoneを」と題するセミナーを4月10日に開催。立ち見も出るほどの盛況となった。

 最初に登壇した杉本真樹氏(神戸大)は,日本の医療において解決すべき課題として指導リソースの不足,医療従事者のQOL向上,業務効率の改善な どを提示。これら課題を解決するツールとしてスマートフォンが注目されていると述べた。また,ログイン用パスコードの強化や暗号化通信などにより,医療者 の業務用途に耐えうるセキュリティが担保されるようになったと報告した。

 その後はアプリの開発者や医療者が製品の紹介や活用例を報告。既に人気商品となっている薬剤添付文書アプリや訪問診療におけるスマート フォンの活用例などのほか,研修医によるスライド投稿プラットフォーム,遠隔画像閲覧システムを用いた急性期脳卒中診療アプリなど今後発売予定のアプリの 開発状況も披露され,スマートフォンのポテンシャルを感じさせた。その一方,米国などに比べ日本では院内での携帯電話使用の制限が大きいことが,診療現場 におけるスマートフォン活用の課題として指摘された。今後は無線LANエリアの設置のほか,院内での携帯電話使用についても議論を深めていく必要がありそ うだ。5月末にはタブレット型端末「iPad」の日本発売も予定されており,ITを活用した医療現場の革新に目が離せない。